物質化学工学科



応用化学と化学工学

研究室を決める際の参考資料として

物質化学工学科は、歴史的に「応用化学(Applied Chemistry)」「化学工学(Chemical Engineering)」の二つの大きな分野に分かれています。日本の理工系の学部の中にも「応用化学」や「化学工学」の名を含む学科が多数存在しています。どちらも「化学」に関わる分野ですが、どのように違うのでしょう?

少し大ざっぱな言い方をすれば、「応用化学」は化学の知識を土台にしてさまざまな有用な物質の合成や分析の手段を追求していくのに対し、「化学工学」は産業や自然環境の中の化学的な仕組みを解き明かし高度にデザインしていく、と特徴づけられます。

「応用化学」は高校までに学んだ化学を有機化学、無機化学、分析化学などの分野に細分化して、さらに深く原理を追求して行くため、比較的みなさんには理解しやすい学問といえるでしょう。一方、「化学工学」は大学で初めて学ぶ学問であり、分離、精製などの”単位操作”というものを体系化して創られたものです。

例えば、ある優秀な応用化学出身の研究者が、1リットルのフラスコで新しい物質を1グラム作ることに成功したとします。しかし、それを1日あたり1000キログラム単位で工業製品にするにはどうしたらよいでしょうか?フラスコを100万個並べますか、それとも100万倍の巨大なフラスコで作りますか。

製品として我々の生活に役立てるためには、連続的に、効率よく、安価で、大量に、そして、環境にやさしく、クリーンな条件で生産する必要があります。これらの問題を乗り越えて行くためには化学工学出身の技術者が必要なのです。